不思議の国を体験!「特別展アリス ― へんてこりん、へんてこりんな世界 ― 展」

はじめに 

アリス展入口 「不思議の国のアリス」といえば世界的にとても有名な物語ですよね。原作を読んでいなくても、なんとなくお話のあらすじを知っているという方も多いのではないでしょうか。そんなアリスの世界を、さまざまな角度から楽しめる展覧会「特別展アリス― へんてこりん、へんてこりんな世界―展」が六本木の森アーツタワーで開催されています。

 

アリスの世界に浸る体験型 

アリス展館内 原作ルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」は1865年に発表され、1871年には「鏡の国のアリス」という続編が誕生しました。ルイス・キャロルの本名はチャールズ・ラトウィッジ・ドジソン。なんと彼は数学者という経歴の持ち主で博識家だったとのこと。奇想天外な物語の中に深い問題提起などをさりげなく散りばめたストーリーは楽しく不思議なだけの世界とは一線を画しているように思います。そんなアリスの物語はアートや映画、音楽、ファッション、演劇などさまざまなジャンルに影響を与えてきました。今回の展示はそんなアリスの魅力を観て楽しむだけでなく「没入型展示演出」という、いわば“体験する展示”が含まれているそう。アリスの世界に飛び込んで、子供心を思い出すきっかけになりそうですね。

“アリス誕生の秘密”、博物館的な魅力が味わえる

 はじめに足を踏み入れたのは、アリスの原画を手掛けたジョン・テニエルの挿絵をはじめ、英国ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館と海外の所蔵品を中心とした貴重な品々が展示されている部屋です。

ルイス・キャロル資料こちらのコーナーは、ルイス・キャロルについての資料やアリスの原画をみることができて感動しましたが、1点1点が小さく(細いペンや鉛筆で書かれたものも多く、若干見にくい)人混みの中、ゆっくり鑑賞することが難しかったのが残念。ルイス・キャロルが撮った写真にアリスのキャラクターのきっかけとなるようなものが写っていたりして、不思議の国のアリスがどんな風に誕生したのか?と想像力を搔き立てられます。過去に制作されたレトロ感あふれるアリスの玩具もつい家に飾りたくなってしまうほど素敵。

アリスの玩具

 

ティム・バートンとヤン・シュヴァンクマイエルのアリス!

アリス・ヤン・シュヴァンクマイエル 「不思議の国のアリス」の物語は、多数のアーティストたちの想像力をかき立てました。アリスをテーマとして作品制作を行った人物の中には、私の好きなティム・バートンやヤン・シュヴァンクマイエルの名前も。ティム・バートンの「アリス・イン・ワンダーランド」に関するドローイングは残念ながら撮影不可でしたが、可愛らしく少し毒のある原画はまさにティム・バートン!ヤン・シュヴァンクマイエルの作品はアリスを題材とした映像作品。

国外年代問わず、アリスをテーマとしたアニメや映画が多数あることにも驚きでした。それぞれの映像作品は最初から最後まで流しているのではなく、特定のシーンだけを繰り返し流している様子。多数の映像作品が出品される展覧会では、すべてのフィルムを最初から最後まで鑑賞することが難しく、なんとなく勿体ない気持ちになってしまうので、この計らいは嬉しかったです。さまざまなアーティストが手掛けた「アリス」をこうして並べて鑑賞できるのも大きな見応えの1つですね。

アリス・アニメ

アリスの世界に迷い込む 

 前評判通り、幻想的な演出には圧巻!館内はさまざまな条件がありながらも、撮影が可能でしたので、熱心に写真に収める方も多くいらっしゃいました。じっくりとアリスの摩訶不思議な世界観に浸れます。私は1人で訪れたのですが「これ、すごいね!」と誰かと共有したい、そんな感動でした。猫の表情が次々と変わります。

アリス・猫

物語の有名なワンシーン、ティータイムをモチーフとした食卓が魔法のように早変わり!

アリス食卓1アリス食卓2

説明不要、ファッションの素晴らしさ  

 事前に展覧会公式HPを拝見した中でも、あまり注目していなかった舞台衣装やファッションの分野。しかし普段なかなか目にする機会が無いこともあり、斬新できらびやか、そして繊細な衣装たちは、幻想的でハイテクな展示演出顔負けの世界観でした。全く詳しくないジャンルですが、作り手のイマジネーションが凝縮された作品は一目で胸を打つのだなあと感動しましたね。

アリス・ファッション

 

原画をモチーフとしたグッズが多数!  

 こちらの森アーツセンターギャラリーには、通常のミュージアムショップの他に複数同時開催されている各展覧会の会場にもショップが設けられています。今回も展覧会出口近辺に不思議の国のアリスに関連したグッズが多数揃っていました。こちらの来館者層を見越してか女性向けのグッズが多い印象。個人的にチェシャ猫のぬいぐるみが気になりましたが、お値段もなかなか!

アリスチェシャ猫

展覧会をみて 

 特に女性から人気の高い「不思議の国のアリス」の展覧会、やはり会場には女性が多く来館していました。カップルや親子連れもよく見かけましたね。今回の展覧会は趣向を凝らした演出、ルイス・キャロルや物語の原作に関する貴重な資料も集結し、興味深く鑑賞することができました。ただ、「美術作品の鑑賞」を目的として入館する方には、やや高めに設定された入場料(一般土日当日券2,300円、会期中販売平日券2,100円)に対して、少々物足りないと感じるかもしれません。原画やシュールレアリスムの画家の作品もありましたが、平日でも人が多い展覧会なので、落ち着いてゆっくり観ることが難しいように思います。アリスの世界観が好きでたまらない方や、女性同士可愛いエンターテインメントで盛り上がりたい方にはぴったりです。小学生以上のお子様も喜ぶと思います。

アリス・ポスター

 

さいごに 

 「特別展アリス― へんてこりん、へんてこりんな世界 ―」は子供から大人までどんな方も楽しめる展覧会。アリスにまつわる展示物がおよそ300点集結しています。ぜひ、お気に入りのアリスを見つけてみてくださいね。

「特別展アリス― へんてこりん、へんてこりんな世界 ―」
東京会場会期:2022年7月16日(土)~10月10日(月・祝)*会期中無休
会場:森アーツセンターギャラリー[六本木ヒルズ森タワー52F]
開館時間:10:00~20:00(月・火・水曜は18:00まで)
*7/18、9/19、10/10は20:00まで
*最終入館は閉館30分前まで
※変更の可能性もありますので、足をお運びの際には事前にご確認ください。

アクセス:森アーツセンターギャラリー
東京都港区六本木6-10-1六本木ヒルズ森タワー52階
東京メトロ日比谷線「六本木駅」1C出口 徒歩3分(コンコースにて直結)
都営地下鉄大江戸線「六本木駅」3出口 徒歩6分
都営地下鉄大江戸線「麻布十番駅」7出口 徒歩9分
東京メトロ南北線「麻布十番駅」4出口 徒歩12分
東京メトロ千代田線「乃木坂駅」5出口 徒歩10分


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