テート美術館展 光 ターナー、印象派から現代へ

イギリスの名門美術館からやってきたコレクションたち!

 海外の美術館は行きたいと思っていても、なかなか足を運ぶことが難しいですよね。ですから国外の美術館の名品がやってくるとなれば、ぜひ鑑賞したいもの。今回はイギリスにある名門「テート美術館」のコレクションが集結する企画展を訪れました。美術愛好家の方々も大注目の展覧会です。

新美術館入口

国立新美術館とテート美術館

 六本木にある国立新美術館は東京のアートスポットを語る上で、欠かすことのできない施設です。

新美術館様子

日本を代表する美術館の1つであり、大規模な企画展が毎年多く開催されています。そして、テート美術館は現代アートの聖地・ロンドン中心部にある美術館。主に16世紀頃~現代までのイギリスの美術作品を収集・保存・公開しています。

「テート美術館展 光 ターナー、印象派から現代へ」

 新美術館を訪れたのは平日でしたが、展覧会終了間際であったためか会場が満員になるほどの人々。「テート美術館展 光 ターナー、印象派から現代へ」では、時代や地域、絵画・彫刻・インスタレーションなどさまざまなジャンルの「光」をテーマとしたテート美術館のコレクションが出品されています。およそ120点の作品の中には、光の画家と呼ばれた近代絵画の巨匠ターナー、日本で人気の高い印象派のモネ、世界中の美術館に作品がコレクションされている現代美術家のジェームズ・タレルなど美術史にその名を刻む作家の作品が多数展示されていました。

見えぬものを捉えようとする、芸術の崇高さ

 歴史に残る有名な画家でありながら、私が知らなかった人物ジョゼフ・ライト・オブ・ダービー。彼が実際に火山の噴火をみたことはなかったようですが、火山を主題として何度も作品制作に取り組んでいたようです。

ジョゼフ・ライト・オブ・ダービー

本物をみることは叶わなくても、真実やイメージを絵画という媒体に再現する。という彼の取り組みは芸術活動の原点に思えました。

西洋絵画を支えた額縁

 今回の目玉の1つ、印象派クロード・モネの作品。大気や光の変化を絵画に留めようとした挑戦は革新的といえるものです。

クロード・モネ

そうした自然現象の移り変わりを何とか表現しようとしたのだろうと想像すると、ますます筆致に力強さを感じます。作品自体の素晴らしさにももちろん感動しましたが、今回気になったのは額縁の存在です。作品に命を吹き込むような躍動感あふれる額縁たち。

フィリップ・ウィルソン・スティーア

こちらはフィリップ・ウィルソン・スティーアの作品です。常に変化する大気や光を表現するためなのか、掴みどころのないぼんやりとした印象の絵画との相性が素晴らしい。額縁と西洋絵画は切っても切れない関係性を感じます。

ハマスホイの魅力

 時代の流れによって色褪せない、素晴らしいアーティストは多く存在しますが、私にとってその1人は、ヴィルヘルム・ハマスホイという画家です。

ハマスホイ

ハマスホイ2

とりわけ特別なモチーフを扱っている訳ではないのですが、画面構成や色使いで何となく彼の作品と分かってしまうのはすごいこと。類まれなるセンスを感じます。今後ハマスホイの大規模な個展が開催されるのであれば、ぜひ足を運んでみたいものです。日本の美術愛好家からも人気が高いようですが、もののあわれを感じさせ、それでいて潔さも感じる作風は日本人の美的感覚に訴えるものがあるのかもしれませんね。

現代アートが提示する「光」とは

 今まさに新たな時代をつくりあげている現代アート作品と、歴史を築いてきた近代絵画の傑作が同時に並ぶ展覧会は興味深いものです。私が以前から心惹かれていた現代美術家、アニッシュ・カプーアの作品も出品されていました。残念ながら彼の作品は今回撮影禁止でしたが、人間の視覚に訴えるカプーアの作品は美しさを超えて神秘性を感じます。作品を観る度に、作者はとてつもない想像力と知性を持っているのだと思わせます。昨年、東京国立近代美術館にて大規模な個展を終えたゲルハルト・リヒター。「物を認識する」ということはどういうことなのかを様々な作品を通じて探求している方ですが、今回の展覧会に出品されていた絵画作品は、ぼやける光を連想させる絵画でした。

ゲルハルト・リヒター

絵具の動きがとらえきれない光の移り変わりのようにも見えてきます。今回印象的だった現代アート作品はリズ・ローズの<光の音楽>。暗い部屋に設置された巨大なスクリーンには鑑賞者の影が次々とカメラのフラッシュを焚くように写し出されます。

リズ・ローズ

その光と影は二度とは来ない一瞬の時を捉えているようで、強烈な光と同時に時間というものの存在も浮き彫りにさせているようです。

サンダル・エコバッグ…著名美術館の大人気グッズ

 世界屈指の美術館の所蔵作品展ということで、グッズ売り場にはたくさんの人々が足をとめていました。

ミュージアムグッズ

文房具だけでなく、サンダルまで!お気に入りの作品がグッズになっていると、つい手に取ってみたくなります。こちらは展覧会会場出口を出たところのグッズ売り場ですが、国立新美術館は地下にも広いミュージアム・ショップがあります。お洒落でユニークな贈り物を選ぶという時にも重宝しそうです。

展覧会をみて

 “光”をテーマに時代やジャンルを超えて作品を展示するという試みは大変面白く感じました。鑑賞前、“光”とは私にとってあまりにも身近な存在であるが故に漠然としたイメージしか思い浮かびませんでした。しかし、さまざまな作品を通して「この作家にとっての光は何だったのだろうか。」と考えるうちに、これまで思いつきもしなかった“光”へのイメージが閃きます。芸術作品は人生を豊かにしてくれることを改めて思い知る、そんな展覧会でした。

展覧会をみて

 いかがでしたか。イギリス名門美術館である「テート美術館」のコレクションが日本にやってくる機会はそう多くありません。ぜひ足を運んでみてくださいね。

「テート美術館展 光 ターナー、印象派から現代へ」
国立新美術館 企画展示室2E
住所:〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2
会期:2023年7月12日(水) ~ 2023年10月 2日(月)
休館日:毎週火曜日休館
開館時間:10:00~18:00
・毎週金・土曜日は20:00まで
・9/25(月)、9/27(水)、9/28(木)、10/1(日)は20:00まで
・入場は閉館の30分前まで
アクセス:電車
東京メトロ千代田線乃木坂駅青山霊園方面改札6出口(美術館直結)
東京メトロ日比谷線六本木駅4a出口から徒歩約5分
都営地下鉄大江戸線六本木駅7出口から徒歩約4分
都営バス
六本木駅前下車徒歩約7分
青山斎場下車徒歩約5分
港区コミュニティバス「ちぃばす」赤坂循環ルート六本木七丁目下車徒歩約4分
<運行系統、バス乗場については各事業者にお問い合わせください。>
※会期は既に終了しています。


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