骨董品とは?価値のある作品の特徴や高く売るポイントを解説!
突然ですが、骨董品とはどういったもののことか、皆さんはご存知ですか?
少し前に、骨董品を鑑定するテレビ番組が人気だったこともあり、ほとんどの人が骨董品の存在自体は知っているかと思います。しかし、具体的にどこからが骨董品と呼ばれるものになるのか、詳細に知っている人は意外に少ないのではないでしょうか。
今回は、骨董品の定義や分類、アンティークとの違い、価値のある骨董品のポイントなどを幅広くご紹介いたします。
骨董品の「定義」と「分類」
骨董品の定義について
日本において、実はどこからが骨董品に定義されるかは実は厳密に決まってはいません。一般的には、「数十年以上前に制作されたもの」とされていますが、場合によってはそれより古いものであっても骨董品として扱われないものもあれば、数十年経っていないものでも骨董品として扱う場合もあります。
このような曖昧な定義は、日本以外にも中国などで同様に行われています。
これに反して、欧米諸国では詳細に定義されている国が多く、その定義は「製造されてから100年以上経過したもの」とされています。
これは、1934年にアメリカ合衆国で制定された、「通称関税法」によって規定された「100年以上経過したもの」という基準を他の国々でも取り入れたことに由来しています。
骨董の分類について
「骨董品」と一口に言っても、その分類は多数存在し、括りも様々ですが、大雑把な分類としては、「民芸品」と「美術工芸品」があります。
民芸品とは、民衆の暮らしの中から生まれ、日常的に使用されている手工芸品のことを指します。正式には「民衆的工芸品」といい、地域独特の伝統や文化が反映されているものも多いことが特徴です。
代表的な民芸品には、桐箪笥などの家具や伊万里焼・備前焼などの焼き物などが該当します。
また、美術工芸品とは、歴史的、芸術的、学術的観点から価値が高いと判断されたものの総称です。
民芸品との違いが若干分かりづらいですが、代表的な美術工芸品には、茶道に使われる茶道具、書道で使われる書道具、和室で使用される香炉などが該当します。
さらに、民芸品・美術工芸品の他には掛軸などの「書画」なども分類として存在します。書画は、昔は骨董よりも格の高いものとして、「書画・骨董」と呼ばれることもありました。
骨董品とアンティークの違いとは?
骨董品と似た言葉に、「アンティーク」があります。両者の違いについて、ご存じでしょうか。以下でそれぞれの特徴や両者の違い・共通点をご紹介しますので、ぜひ比較してみてください。
骨董品の特徴
- 定義:制作されてから100年以上経過した、歴史的・文化的な価値を持つ美術品・工芸品、家具など
- 代表的な例:江戸時代以前に制作された茶道具、掛軸など
- 骨董品と呼ぶ対象:日本国内で作られたもの
アンティークの特徴
- 定義:制作されてから100年以上経過した、歴史的・文化的な価値を持つ美術品・工芸品、家具など
- 代表的な例:フランスやイギリス製のアンティーク食器、アンティーク家具など
- 骨董品と呼ぶ対象:欧米諸国で作られたもの
骨董品とアンティークの共通点・違い
上記から、両者の違いはズバリ「日本国内で作られたものか、欧米諸国で作られたものか」です。もともと、アンティークとはフランス語で骨董品と同様の意味を持つ言葉であるため、このような使い方をされる場合が多いのですが、あくまで一般的な定義であり、明確な境界線というのは存在しません。
骨董品を取り扱っている業者によっては、骨董品とアンティークを特別区別していないところもあります。
「価値のある骨董品」とは?
前述のとおり、骨董品は100年以上経過した歴史的・文化的な価値があるもののことです。では、その価値とはどのような基準で決められているのでしょうか。
骨董品業界で一般的にいわれているポイントを以下で4つご紹介いたします。
希少性が高いもの
価値の高い骨董品の多くは、希少性が高いことが特徴です。市場に出回る数量が少ないもの、またはその時代において特に重要な役割を果たした作品などは、非常に高い評価を受けることがあります。
例えば、特定の時代でしか作られず、現存数が極端に少ない工芸品などは、骨董品の買取査定に出した場合、かなりの高値が付くことも珍しくありません。
保存状態が綺麗なもの
骨董品は、製作されてからかなりの年数が経っているため、保管状態を適当にしてしまうと自然と劣化していくものです。そのため、普段から適切な方法や環境で保管されており、製作されたときの新品の状態に近い作品は価値が高いと評価されるのです。
有名作家・工房によって作られたもの
名の知れた作家や工房によって作られた作品は、その知名度から欲しがるファンも多くなるため、価値が高いと評価されます。
その代表的な例としては、代々の柿右衛門作品などが挙げられます。
歴史的価値が高いもの・以前の所有者が有名な人であるもの
骨董品には、その作品自体に歴史的な背景があるものや、有名な人物(政治家や文豪、武将など)が所有していた作品も高く評価されます。
例えば、有名な戦国武将が所有していた太刀や脇差などは歴史的価値が高いものとして、国宝や文化財などに指定される例も多いです。
骨董品を高く売るポイント
ここまでで、骨董品についての理解を深めることはできましたでしょうか?
ここからは、実際に骨董品を所有されている方へ向けた豆知識をご紹介いたします。
まず、本項では骨董品のご売却をお考えの方向けに、骨董品を高く売るための3つのポイントをご紹介いたします。
作家物の作品を売る
骨董品は、有名な作家や工房によって製作された作品は高く売れる傾向にあります。もし、そういったものをお持ちであれば、高い査定額が付くことが期待できるでしょう。
しかし、世の中には「贋作(がんさく)」といわれる、いわゆるコピー品も多く出回っており、有名な作家であればあるほどその贋作も多く制作されているといわれています。
もし、査定に出した作品が贋作である場合、買い取りを断られてしまう場合も多いため、注意が必要です。
付属品がある場合は一式を揃えて売る
作家物の作品ならば、付属品の箱や作品を包む布などの付属品が付いている場合がほとんどです。そういった付属品も、綺麗な状態で一式揃っていると、買取価格がアップする可能性が高いです。
そのため、売りに出す前に付属品が一式揃っている状態なのかを事前に確認しておきましょう。もし付属品に破れや傷があった場合でも、それがない状態よりは高い査定額が付く場合もありますので、捨てたりせずに、一緒に査定に出すようにしましょう。
査定は「骨董品買取業者」に依頼する
骨董品を売る際は、骨董品を専門に取り扱う「骨董品買取業者」に買い取りを依頼することをおすすめします。
骨董品買取業者以外の買取業者に依頼した場合、骨董品に対する知識不足や経験不足から適切な査定額を付けてもらえない可能性も高いです。また、一点一点の価値を見極めることが困難であることから、まとめて○○円という値段の付け方をされてしまう場合もあります。
その点、骨董品買取業者は、骨董品買取のプロですので、真贋を含めて作品を一点一点丁寧に査定し、適切な買取価格を提示してもらえるというメリットがあります。
また、売りたい骨董品がたくさんあった場合にも、出張買取というサービスを利用することで、骨董品買取業者が自宅まで訪問し、その場で査定・買い取りをしてくれます。自分で店舗までもっていく手間もありませんし、割れ物が多い場合にもしっかり梱包した上で運び出してくれるので、安心して任せることができます。
以上の理由から、骨董品を売る際には、骨董品買取業者の中から依頼する業者を選ぶようにしましょう。
骨董品のお手入れについて
前述にもある通り、保存状態がいい骨董品は、高い査定額をつけてもらえる可能性が高くなります。
ここでは、普段からできる骨董品のお手入れの基本的な方法をご紹介しますので、骨董品を所有されている方はぜひ実践してみてください。
素材が紙・布でできている骨董品の場合
掛軸や絵画など、素材に紙や布が含まれている場合、特に「色褪せ」や「カビ」には注意が必要です。
それらを防ぐには、直射日光には当てずに日陰になる場所で使用したり、高温多湿な部屋で保管するようなことは控えましょう。
素材が陶器や陶磁器である骨董品の場合
陶器や陶磁器などの割れ物である場合、お手入れの際にはまず落として割れたり、欠けたりすることが無いように細心の注意を払って取り扱うようにしましょう。
お手入れ方法としては、まず陶器の場合、水が染み込むと抜けづらいという性質があります。また、水分や湿気が付着したままだと、シミやカビの発生の原因になります。そのため、普段のお手入れの際は乾拭き程度に留めておくのが良いでしょう。もし、汚れが付いていた場合には、手早く水拭きした後に、しっかりと乾燥させることがポイントです。
また、普段保管する際は、湿気が多い部屋に置いておくのは避けましょう。
次に、磁器の場合、陶器ほどではありませんが、こちらも水分や湿気がシミやカビの原因になる場合があります。そのため、軽い汚れの際は乾拭き程度で、ひどい汚れの際は手早く水で洗った後に、しっかりと水気を切って乾燥させましょう。また、絵柄が付いた作品である場合、強くこすると剥がれてしまう危険性がありますので、あくまで優しく取り扱うことを意識しましょう。
まとめ
骨董品は、ただの「古い物」ではなく、歴史的・文化的な価値を持つ美術品や工芸品として、時代を超えて評価されています。骨董品に関する世界で共通した定義はありませんが、日本では、おおむね「制作されてから数十年が経過したもの」、欧米諸国では「制作されてから100年以上が経過したもの」が骨董品であると定義されています。
骨董品の価値は、希少性の高さ、有名作家や工房による作品であるなど、いくつかの特徴があります。また、骨董品を高く売るためには、保存状態が綺麗であることなど、いくつかのポイントがあるため、売却を検討している際は、それらを意識して買い取りを依頼するのが良いでしょう。
普段からの骨董品のお手入れ方法は、その作品が何の素材でできているかによって、気を付けなければいけないポイントは大きく異なります。自分が所有している骨董品が何の素材でできているものなのかを事前に把握し、適切な方法でお手入れを行いましょう。