大日如来像

　比較的世に出回っている室町～江戸時代にかけて作られた大日如来像で、厨子が付いていている場合の参考買取価格です。仏像は古ければ古いほど高値が付きやすく、また同じ頃につくられた同じような造りの仏像でも種類や希少性、人気によって大きく値段が変わりますのでまずはお問合せ下さい。

大日如来像

　釈迦如来・阿弥陀如来・薬師如来・毘盧遮那如来などの“如来”は仏像の中でも最高位にあたる存在で、悟りを開いた仏のことをいいます。その中でも密教における最高の仏であり、宇宙の中心ともいわれているのが「大日如来」。すべての如来や菩薩、天などは大日如来が姿を変えたものであるとされています。大日如来には2種類の形があり、その1つ「胎蔵界大日如来」は実践的な面を示しています。お腹の前で、瞑想していることを表す“法界定印”という印相を組んでいることが多いようです。印相とは、仏像の指や手の動きによって仏像に込められた意味を理解することができるものです。また、全体的にふくよかな印象なのも大きな特徴です。もう1つは「金剛界大日如来」。知的な面を示していて、胸の前で仏の境地に入ることを表す“智拳印”という印相を結び、細身の身体つきをしています。大日如来を含む如来の特徴としては、頭にお椀を伏せたように隆起している肉髻があること、髪が右回りに渦を巻き固まりになったような“螺髪”、額の中央にある丸い白い毛の“白毫”、喉元の“三道”と呼ばれるシワがあります。蓮華を型取った台座・蓮華座に座り、“結跏趺坐”と呼ばれる足を組んだ座り方も有名ですね。さらに、大日如来のみによくみられる特徴として、装飾品で飾られた身体が挙げられます。他の如来は、釈迦が修行中に着ていた衣服がモデルとなっているので、簡素で粗末な印象のものであることが多いようです。国内にある大日如来像の中で有名なものは、栃木県・光得寺の大日如来坐像、岐阜県・横蔵寺の大日如来像、京都府・東寺の大日如来像、東京都・真如苑の大日如来坐像、奈良県・円成寺の大日如来像などが挙げられますね。仏像は制作された時代によってそれぞれ特徴があります。例えば武士の世であった鎌倉時代は動きや迫力のある仏像がもてはやされました。こちらの大日如来坐像が制作された室町～江戸時代は朝廷や貴族・寺院が力を失い、寺社は幕府の支配下に置かれた時期。檀家の数は飛躍的に増え、仏像が大量につくられました。ちょうど人々の間に仏像が身近になった頃のものともいえます。

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